開発ログ

水圧データロガー DLS-HS

GPS搭載の次世代型多点水圧測定データロガー

地中に張り巡らされた水道管は全国で65万㎞。その水道管は網目のようになっており各家庭に水を供給している。その水道管網が正しく機能しているかどうかは、適正な水圧が確保されているかどうかで判断され、その水圧を測定し記録するのがこの水圧データロガーDLS-HSである。本器は消火栓等に設置した圧力センサーからの水圧情報を定期的に記録し見える化することで、管路の水圧異常の早期発見を目的として開発された。旧型のDLS-H21はすでに全国の水道局や調査会社で採用され日本の水道サービス向上に活躍している。この度開発した新型は、GPSを装備し複数同時の測定(同時多点測定)が容易となり、水道管網全体(システム)としての機能性を診断できるようになった。また新型プロセッサ採用によりデータ分解能は256倍となり、水道管路に大きなダメージを与えるウォーターハンマー現象(異常高水圧による衝撃)の検出機能を備え、老朽化が問題となっている水道管網の管理精度が向上、今後の管路維持管理をさらに効率化することが可能となった。

「データ書き込みのタイミングに苦労しました」と語るプロジェクトリーダー

消火栓ボックスにも設置可能な防水型のデータロガー

多点にて同時刻に測定された比較データ

【開発者コメント】

多くの導入実績がある機種の後継機だったので、使い勝手が悪くならないよう注意しました。旧製品ではシリアル通信で行っていた取得データの収集をSDカード、USB通信、WIFI通信としました。更にGPSも搭載した為、測定とその他の各種タイミングの設計に苦慮しました。特に1秒毎の測定とSDカードへのデータ書き込み、単三電池での動作でありながら長期間動作など省電力の部分は苦労しました。
アプリについても従来データを利用可能にする必要があったので、その部分では気を使いました。開発時に検証を重ねたつもりだったのですが、いざフィールドテストを行ってみると予想しなかったトラブルが多く発生して、想定外の操作を想定する事の難しさを痛感しました。アプリについては時間はかかりましたが、最終的には4000以上のチェック項目を再検証し、自信を持って製品をリリースをすることが出来ました。